19世紀、人類の生活を豊かにする手段として電気の利用が始まり、明治20年(1888年)には電気学会が設立されました。それから100年あまり経った今日、先人の努力により、かつては夢のようであったさまざまな装置やシステムが電気・電子・情報技術の粋を集めることによって実現され、私たちは豊かな暮らしを手に入れています。
例えば、パソコンやインターネット、携帯電話を考えてみましょう。私たちが手にするあの小さな電話の中には、低消費電力で動くLSIを実現するための半導体材料技術やプラズマを用いたLSI微細加工技術、どの場所でも安定して通信が行なえる移動体通信技術等々、数多くの先端技術が詰め込まれています。また、より多くの情報を処理する高速コンピュータや情報を効率よくやりとりするための信号処理などの技術はマルチメディアやインターネットの実現を可能としました。
さらに、これらのシステムを支える電力技術も現在は高効率で安定な電力供給を可能にしています。さて、それでは私たちは夢をすべて手に入れてしまったのでしょうか? いいえ、そうではありません。これらの技術にはまだまだ多くの課題が残されており、新たな夢の実現を求める挑戦が現在も進められているのです。電気・電子・情報技術は未来社会を拓くフロンティアエンジニアリングとして、これからもさらにダイナミックに変化しながら発展を続けてゆきます。
名古屋大学工学部の電気電子・情報工学科電気電子工学コース、ならびに、大学院工学研究科の電子情報システム専攻は、現代の私たちの生活を支えるエネルギー、デバイス、エレクトロニクス、コンピュータ、コミュニケーションといった電気に関する幅広い分野のすべてをカバーしています。
それぞれの分野において高度な研究を行っている研究室群は、その内容によって、電気工学、電子工学、情報・通信工学の3つの分野に分かれています。電気電子工学コースの学生、および、電子情報システム専攻の大学院学生は、それぞれ4年生進学時、大学院入学時に、希望する研究室を選択することができます。学部学生については、情報科学研究科の関連研究室に所属することも可能です。
研究分野