超伝導技術の電力機器への応用

〜研究背景〜

電力需要の増大およびこれに伴う電力系統の大規模化などの状況において,
電力系統故障時の様相の複雑化および系統故障時における故障電流の増大など,
電力系統を運用する上で様々な問題が生じてくることが懸念されている。
この電力系統における故障電流の増加により,
電力用機器に対してストレスを与える恐れがある。

そこで,
故障電流を抑制するための一つの手段として,
限流器の導入が検討されている。

限流器とは…
電力系統において故障が発生したときの故障電流を抑制する装置であり,
故障電流による電力機器への障害の低減,
また系統運用の面からも系統安定度の向上や瞬時電圧低下の低減が期待されている。




〜超伝導限流器〜

超伝導限流器… 電気抵抗ゼロおよびマイスナー効果を示すという
超伝導特有な現象を利用した限流器。
(超伝導/常伝導(S/N)転移型,
 磁気遮蔽型および整流器型など様々な方式がある)

例として, S/N 転移型超伝導限流器の原理…超伝導体における超伝導/常伝導 (S/N) 転移を利用。
系統平常時… 超伝導体における抵抗がほぼゼロの超伝導状態であり,
限流器自体の電圧降下および損失が小さい。
系統故障時… 故障電流が超伝導体の臨界電流値を超えることによって,
超伝導体に発生する抵抗で故障電流を直接限流。


磁束拘束型限流器(超伝導限流器の一例)


 

 

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