磁場閉じ込め核融合発電の実現に向けた
境界プラズマ制御・熱粒子輸送・壁相互作用研究
温暖化や資源枯渇などの地球環境問題解決のため、磁場閉じ込め高温プラズマを用いた核融合発電の研究が世界規模で進められています。当グループでは、高温高密度の炉心プラズマ維持のために不可欠な、境界プラズマ制御とプラズマ計測技術の開発、太陽表面に匹敵する超高熱流プラズマと壁材料の相互作用に関する研究を実施しています。複数の高密度プラズマ発生装置を用いた実験のほか、計算機シミュレーションによるプラズマモデリング、産業応用にも期待される機能性ナノ構造金属の創成などについて研究を推進しています。
研究室見学希望の方は田中(h-tanaka@ees.nagoya-u.ac.jp)まで!
- 核融合発電のための境界プラズマ計測・制御と材料相互作用
プラズマを利用した核融合発電の実現に向けて、日本・欧州・アメリカ・ロシア・中国・韓国・インドの国際プロジェクトとして国際熱核融合実験炉(ITER)の建設が進められています。当グループはITERならびにその後の発電炉(原型炉)実現への貢献を目的として、高温・高密度プラズマ維持のための境界プラズマ制御とプラズマ計測技術の開発、太陽表面に匹敵する超高熱流プラズマと壁材料相互作用に関する研究を世界各国の研究者と共同で実施しています。
熱負荷低減に期待される消えるプラズマ
直線型プラズマ装置NAGDIS-II
- 新しいプラズマ生成法の開発と応用
プラズマは様々な工学的応用に用いられ、プラズマ理工学の発展は新しいプラズマ生成法の開発により支えられてきました。当グループでは、スパイラル磁場構造による低温高密度プラズマ生成と金属窒化への応用、超高密度プラズモイド・定常高密度プラズマ複合照射装置の開発などを行っています。
トロイダル型プラズマ装置NAGDIS-T
スパイラル状に形成されたプラズマ
- 機能性ナノ構造金属の創成
タングステンなどの硬い金属にプラズマを照射することで、金属表面にナノ構造が形成されることが当グループを中心に見出されてきました。これらの材料は、特異な光学的性質をもち、かつ、触媒や電子放出材料などへの応用が期待されています。プラズマを金属に照射し、その光学特性、物性評価、触媒活性評価を行い、これまでにない機能性ナノ構造材料金属の創成を行っています。
小型プラズマ照射装置Co-NAGDIS
タングステン板上に形成されたナノ構造
- 計算機を用いたプラズマモデリング
プラズマ・核融合研究において計算機シミュレーションは重要な研究ツールとなっています。慶應義塾大学、信州大学、核融合科学研究所、量子科学技術研究開発機構などとの共同研究により、粒子ならびに流体シミュレーションコードによるプラズマ中の物理現象解析を行います。
プラズマの数値シミュレーション結果